Danger Museum, 2002
 インスタレーション風景(第4週)
 photo: Danger Museum, 2002©

 


 
T: 今考えると、デンジャー・ミュージアムは制作活動というようりはキュレーションに近いように感じるのですが…。
 
 
: 個人的にはキュレーターというエリアにはまだ到達してないような気がしますので、アーティストという立場からアートシーンを分析し、柔軟なプロジェクトを展開していきたいなと考えています。でも、仮に、スペースに作品を配置してそこに流れを作り出し、あるテーマの下に美術を一般に公開することをキュレーションと呼ぶのならば、私達の活動もキュレーターと言えるかもしれませんね。
 
 
T: 今回の展示ではアーティストが企画から制作、展示まですべてを担当したわけですが、作家は制作、美術館やギャラリーは展示という定番的な構造をどう思われますか?
 
  
: おっしゃるように、一般的には、アーティストは制作する側、美術館は展示する側という定番的な意識がまだ存在するかと思います。ですが、実際のところ、活動内容は違うかもしれませんが、制作側が制作から展示まで総合的にこなすことも、美術館が展示を作品として意識することも、現に起きているのではないでしょうか。ただ、アーティストと美術館の活動内容が違うので、このような定番的意識や構造が存在しても仕様がないとも思います。
 
  
T: デンジャー・ミュージアムと美術館はどのような点が一番違うと思われますか?
 

 
S: 美術館の中には、挑戦的な展示を行なうところもあります。ですが、多くの美術館は、既存のシステムを変化させることに戸惑いを感じて、美術館というイメージを保持することに力をいれてしまいすぎているのではないでしょうか。多様な美術作品が生まれている現在、美術館も多様性を益々要求されるようになっていると思います。こういった現状に対してのデンジャー・ミュージアムの強みは、スケールは小規模かもしれませんが、プロジェクトごとにどんどん新しい試みをすることができることだと考えています。
 
 
T: inIVAは所蔵作品を持つ美術館ではありませんが、美術分野の公的機関ですよね。公的機関でデンジャー・ミュージアムを発表してみてどう感じられましたか?
 
 
S: inIVAでの経験は、アーティストである私達の活動とinIVAのような公的研究機関に所属するキュレーターとの違いを知るいい機会だったと思います。大人数がありとあらゆる形でプロジェクトに関わってくる研究機関に比べ、私達の一番の強みは、わがままなプロジェクトでも提案し、企画、運営を行なえるということだと思います。もちろん、これには規則が研究機関に比べてルースだから柔軟になれる、ということも大いに関係していると思いますけど。
 
 


Tien Wei Woon (Danger Museum) , Tent, 1998
 ティエン・ウェイ・ウーンが大学時代に発表した一番最初のデンジャー・ミュージアムはテントを利用したもの

 photo: Danger Museum, 2002©

 
 
T: 美帆さん達3人のディレクターはどのようにして出会ったのですか?
 
 
S: ディレクター同士は大学で知り合いました。デンジャー・ミュージアムは、ティエン(Tien Wei Woon)がテントをミュージアムとして発表したのがそもそもの始まりです。テントの中に知り合いの作品を展示して、観客が寛げるようカフェもあって。私(清水)は1999年から、オィブン(Oyvind Renberg) は2001年からディレクターとして企画に加わるようになりました。
 
 
T: ロンドン大学のゴールドスミス・カレッジでしたよね?
 
 
S: そうです。大学時代に、このプロジェクトがスタートしたということは、とてもプロジェクトにとって意味のあることだと思います。留学生だったということもあって、自分の背景、文化について話す機会が自然にありました。そういった知識、情報の交流が発展して、作品の形になったのが、デンジャー・ミュージアムだとも言えると思います。現時代的に美術を考える場でありたいです。
 
 
 

Danger Museum, Mongolian Camel Show, 1999
 photo: Danger Museum, 2002©

 
 
T: 今は皆さん其々の国を拠点とされているのですか?
 
 
S: そうですね。現在はシンガポール、ノルウェー、日本と、メンバーの拠点がかなり離れています。希に、現場を訪れないで作品を郵送することもありますが、大抵、近くのディレクターか企画の担当者が現地に行きます。理想を言えば定期的に会いたいのですが、現実には難しくて展示の時に会うということが多いです。それに、ディレクター達が個人制作をしていることもあって、その都合が活動に影響することもあります。
 
 
T: 差し支えなければ今後の活動内容を教えてもらえますか?
 
 
S: 離れて活動しているので、個々がプロジェクトを企画・運営する機会が増えていくと思います。三者三様のデンジャー・ミュージアムができるのではとワクワクしています。私としては、美術館という構成をもっと発展させていきたいと思っています。ディレクターがスペース内に存在しないデンジャーミュージアムにも興味がありますし、ウェブ上でのプロジェクトも発展していきたいです。インタビューやニュースレターといった作家と長期交流をもつ活動ももっと増やしたいですし、実現したいことがいっぱいです。
 
 

 
"The Danger Museum"
020904- 020927

The Space @ inIVA
Institute of International Visual Arts
6-8 Standard Place
Rivington Street
London EC2A 3BE
020 7729 9616
www.iniva.org

Danger Museum
Directors:
Tien Wei Woon(ティエン・ウェイ・ウーン)
Oyvind Renberg(オィブン・レンバーグ)
Miho Shimizu(清水美帆)
www.dangermuseum.com

関連作家のサイト
Alex Villar
The Artists Village
Matze Schmidt & Sebastian Stegner
Dream Products Co.



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