イギリス館のお隣り、カナダ館のオープニングセレモニー。代表のレベッカ・ベルモア(Rebecca Belmore)は、同国のビエンナーレ参加始まって以来、初のアボリジニのアーティスト。

館内には彼女の湧き出でる感情を表した映像インスタレーション「Fountain」が展示されていた。滝のように流れる水の裏にスクリーンが設置され、鑑賞者は水を通して彼女のパフォーマンスを見ることになる。

映像の中で彼女が戦っていたのも水。災害でもあったのだろうか、家が無残にも倒壊し炎に包まれた海辺のシーンから始まる。火を消すためだろうか、海に入りバケツに水を汲む。岸に上がり、汲んだ水を力いっぱい投げかける。だが火に対してではなくレンズに向かって。つまりスクリーンに、そして鑑賞者に。そこで初めて、いつの間にか水が血に変っていたことに気がつく。

この力強くもシンプルなパフォーマンスがごく数分の間に流れ、サイクルになって果てしなく続く。作品を通じ様々な喪失感を表現してきたと語られるベルモア。今回もその喪失感と傷つき怒りに満ちた心が、無駄のない的確なパフォーマンスと巧妙なインスタレーションによく現われている。


写真上から

1)Rebecca Belmoreポートレート
カナダ館の公式オープニングにて
© Toyoko Ito 2005

2 - 4)
Rebecca Belmore
Fountain, 2005
Performance based video installation. Photo: Jose Ramon Gonzalez

 







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