{bigframe}

舞台は変わって、こちらは絶えず人がせわしなく動き回っていたアメリカ館。96年にエイズで亡くなったキューバ出身の美術家、フェリックス・ゴンザレス=トレスの展示になる。会場にあった作品は、平積みにされた紙の束や、床に敷き詰められたキャンディーなど、ゴンザレス=トレスの代名詞にもなっている「ご自由にお持ち帰りください」主義の品々。見ていて感心したのが、作家と観客のあの世とこの世を越えた阿吽の呼吸。ゴンザレス=トレスの遺言を守るとでもいうように、みな脇目もくれずに紙のもとへと直行し、それをひらりと持ち上げ、器用にくるくると丸めて持ち帰る。3人、5人、10人と、人が人を呼び、紙が人と一緒になって即興パフォーマンスを繰り広げる。デパートのセール会場のようなその凄まじい光景には、ゴンザレス=トレスも草葉の陰で嬉し涙を流していたことでしょう。

20/42

fogless.net
e-mail: editor@fogless.net
This site has been designed and managed by Toyoko Ito (Toko) copy; 2000-2010 All Rights Reserved
このサイトは伊東豊子(トコ)によってデザイン及び管理・運営されています。本
サイト内で用いられているコンテンツ(文章・画像など)を無断で複製・転載・転用することはできません。