2月16日

Blog更新

 

「ARTiT」の公式ブログに、TONKの新作アーティストブック『The Great Unreal』について書きました()。

それと、前回書き忘れましたが、その前のエントリーはトーマス・ルフの『Surfaces, Depths』です()。

 

2月15日

サーチ・ギャラリー&ホワイトチャペル

 

近頃目立つインド系の展示の中から、サーチ・ギャラリーホワイトチャペルで開催中の二つの展示をご紹介。絵画・立体が中心の前者は、インド版YBAともいうべくポップで陽気でバブリーな展示。一方、写真のみの後者は、インド亜大陸の喧騒とストリート感あふれるリアルな展示。同じ地域の作品とは思えぬコントラストで、見比べると面白い。

The Empire Strikes Back: Indian Art Today @ Saatchi
Gallery
「帝国の逆襲」と、人気SF映画のタイトルをひっさげて始まったこちらの展示。長いこと英国の支配下にあったインドが現代アートを武器に反旗を翻したというイメージが浮かぶが、なんだか興味深いのが、この展示がスペースオペラに負けぬくらいポップで派手なこと。たまに出てくるガンジーやネルーなどの重い言葉をスパイスに、何百の鍋釜でつくったSubodh Guptaの「UFO」や、何千もの骨型アルファベットで書いたJitish Kallatの「壁文字」、空気マットを積み重ねたTallur L. N.の「黒こげベッド」など、巨大で、陽気で、見せ場を心得た作品がごろごろ並ぶ。

作家陣の聞きなれた名前からすると、これが今のインドのトップアートであるのは間違いなさそうだが、不思議なのが、作品がことごとく欧米的なこと。サーチの好みなのか、グローバリゼーションやアートバブルの弊害なのかわからぬが、スーツケースに押し込んだラクダの立体や本を抱えた少年の巨大ブロンズ像など、あちこちにデミアン・ハーストやマオリツィオ・カテランなど欧米の作家の影響が伺える。インドの現代アートは欧米でヒットした後に自国で認められるようになった逆輸入型だそうだが、それがよくわかる展示。個人的には道の喧騒がじゃんじゃか聞こえてきた去年のサーペンタインのインド展の方がよかったが、これもインドの現代アートの一面なのだろう。あまり逆襲になってないところが少し寂しいが。5月7日まで。

 


The Empire Strikes Back: Indian Art Today展の展示風景
上)Huma Mulji, Arabian Delight, 2008
中)Jitish Kallat, Public Notice 2, 2007
下)
Subodh Gupta, Spill, 2007
Photo: Toyoko Ito


 Where Three Dreams Cross: 150 Years of Photography from India, Pakistan & Bangladesh @ Whitechapel

現代アートと写真の違いのせいか、それともバングラデシュとパキスタンが加わったせいか、上の展示とは180度変わって超しぶい展示。150年という長いスパン、作品数400点、作家の数82名という盛大なスケール。そのうち知っている作家はわずか数名で、展示の仕方も時間軸をまったく無視したジャンブル型とあって敷居が高く感じられたが、見れば見るほど発見のある展示でもある。

ユニークなのが展示の構成で、膨大な数の写真をパフォーマンス、ポートレート、ファミリー、ストリート、ボディー・ポリティックと5つのテーマに分けて紹介。特に面白かったのがパフォーマンスとストリートで、前者ではボリウッドの黄金時代の女優やスターのスチル写真から、歴史上の武勇に扮した男が現代に現れるBani Abidiのコンセプチュアルな写真まで、パフォーマンスをキーワードに三カ国の文化が色濃く出た多様な表現が見れる。一方、後者のストリートの方は、独特なカラー写真でインドのエグルストンと呼ばれるRaghubir Singhや、個性的なアーティストブックで知られるDayanita Singhなど国際的に有名なアート・フォトグラファーから、フォトジャーナリズムとアートを融合したArif MohamoodMohammad Arif Aliら新路線の作家まで、活きのよい写真家が目立つ。

展示全体で印象に残ったのが時代に左右されぬモノクロ表現の強さで、欧米のアート・フォトグラフィーに汚染されていない独自のドキュメンタリー文化が感じられる。また、普段なかなか見れないヴィンテージ写真の数も多く、それらが現代写真にすんなり溶け込んでいるところが面白かったりする。4月11日まで。

 
Mohammed Arif Ali
Rainy days image of Lahore (detail), 2008
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