South London Gallery
65 Peckham Road
London
SE8 8UH
Tel: 020 7703 6120
Web site

展覧会:
Tom Friedman
Secret Garden

文&写真:
Suzuki Tomoko





Tom Friedman, Untitled, 2004, photo: Tomoko Suzuki, 2004©

改築のために休館していたサウス・ロンドン・ギャラリーが、6月15日に再オープンした。リニューアル第一弾の展示は、アメリカ出身の作家トム・フリードマンの個展と、ゴールドスミス・カレッジのMAの学生が企画したグループ展。

新しい看板を除いて、外観は特に変化していない様子。しかし中に入ると、休憩所や子供たちのための学習センターなど、小さいスペースながらも設備が前より充実。裏口からは、今まで使われていなかった庭に出られるようになりました。今後5年の歳月をかけて庭をきちんと手入れし、カフェやアーティストのためのスタジオが増築されてゆく予定だとか。


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(写真上)発泡スチロールを削って作った巨人と小人。巨人は全長3メートル65センチ、小人は10センチ。「巨人は一体何を考えているのか?」、「小人から巨人はどのように見えるのか?」、見ているとついつい作品をめぐる物語に引き込まれます。


(右)天井からモノフィラメント(単繊維)で吊るされた、画用紙で作られている物体。見るからに壊れやすそうな作品。オープニングの日に、アーティスト本人が糊で修理をしていました。ディズニーに影響を受けたというフリードマン。車に轢かれたアニメーションのキャラクターのようにも見えます。
 

 


温室。植物との交流がテーマの作品。中には、ミキサーやアンプ、シンセサイザーからターンテーブルまで、植物を喜ばせるために演奏ができるよう楽器が揃っています。毎週金曜日に3時半から5時半まで、地元のバンドによる生演奏が予定さ
れています。

 

Tom Friedman, Untitiled, 2004, photo: Tomoko Suzuki, 2004 ©

化粧直しが施されてきれいになった展示室には、ありふれた日用品を使って、精巧で遊び心のある作品を作るトム・フリードマンの新作15点が展示されています。入ってすぐ目に付くのが、発泡スチロールを削り上げて作った、全長3メートル以上もある巨人。よく見ると、その足元には彼を見上げている小さな人が。「Monster」と呼ばれる色鮮やかな作品は、近くでよく見ると、実は丸く切り抜いた雑誌のページで構成されているコラージュ。その傍らに置かれている人の乗っている球体は、たくさんの小さな木の立方体がくっつけられてできたもの。他にも、紙で出来たバラバラになった人体や、5つの箱を切ってつなげた縦に間延びしたシリアルの箱など、小学生の工作に使われるような材料と職人並みの技術のギャップが楽しい作品ばかり。とにかく、その発想の豊かさに驚かされます。


 

Peter Coffin, Untitled, 2002, photo: Tomoko Suzuki, 2004 ©

お次は外のグループ展へ。手を入れる前の土がむき出しの庭を使った、「自然と文化」がテーマの今回の展示。入って一番手前にあるのは、オランダ出身の作家ウィリアム・スピークマンのスタジオ。最初の部屋には、サダム・フセインが拘束の際に隠れていた穴が再現されていて、その奥には神聖な礼拝堂のような真っ白の部屋が。その異様さに思わず庭という空間にいることを忘れてしまいます。庭の中心部で視界を遮っているのは、サーペンタイン・ギャラリーでの「State of Play」展にも参加していたメキシコ出身の作家ガブリエル・クリのビルボード。本来なら表通りの目立つ場所にあるはずの広告掲示板が、狭い庭に置かれているという不条理な光景。アメリカ出身の作家ピーター・コフィンの温室には、植木鉢と共に楽器やマイクが置かれています。人々に植物のために音楽を演奏してもらうというコンセプトで、毎週金曜日には地元のミュージシャンによる演奏があるそうです。

少々不便な場所にあるものの、期待を裏切らないサウス・ロンドン・ギャラリー。今後の展開も楽しみです。