5月31日
ターナー賞 2002
「まだ5月なのにもうターナー賞?」なんてリアクションが返ってきそうですが。そうです、早くもノミネート者4名が昨日発表されました。 選ばれたのはFiona
Banner(フィオナ・バナー), Liam Gillick(リアム・ギリック), Keith Tyson(キース・タイソン), Catherin Yass(キャサリン・ヤス)の4名。
現在Dundee Contemporary Artで個展が開催中のフィオナ・バナー (36)は、様々なメディアを用いたテキスト・ワークをこれまでに多数発表。なかでも有名なのが観た映画の内容をキャンバスや本に言葉で記録した作品で、代表作「Nam」は「プラトーン」などベトナム戦争映画6本を1000ページの本にまとめたもの。
リアム・ギリック (38)は、色とりどりのプレクシグラスを鉄枠や木枠にタイルのようにあしらった抽象作品で知られています。今回最年少のノミネート者で、現在Whitechapel
Art Galleryで展覧会が開催中。昨年の横浜トリエンナーレにも参加しています。 キース・タイソン (33)は、科学理論にアイデアを得た平面と立体を多数制作しています。今年の1月から3月にSouth
London Galleryで開かれた展覧会「Supercollider」ではCERN(欧州原子核共同研究所)の粒子加速器がインスピレーションとなりました。
キャサリン・ヤス (39)は、500フィートのクレーン車から撮影した新作ビデオを先月Asprey Jacquesで発表したばかり。トレードマーク作品はライトボックスにのせた鮮やかな色使いの写真で、美術館のキュレータ、精神病院の患者や職員、ボリウッド・スターなどのポートレートを撮っています。フォグレスでも去年Jerwood
Galleryで開かれた個展 をカバーしました。 ターナー賞の対象者は50歳以下の英国籍または英国で活動しているアーティスト。ノミネート者の決定はテート美術館館長のNicholas
Serota(ニコラス・セロータ)氏を中心とする5名の審査員によって行われますが、一般からの推薦も受け付けていて今年は500人ものアーティストの名前が寄せられたという話です。去年はウルトラミニマリストなマーティン・クリードが受賞しましたが今年はどうなるのでしょうか? 受賞者の発表は12月。
(トコ) ターナー賞2002展のレビュー
去年(2001)のノミネート者についてのレポート
マーティン・クリードの受賞レポート
5月29日
展覧会情報
カレンダーの「East
Endの展覧会 」に新しい展覧会9本を載せました。 6月から7月にかけての特徴は、各ギャラリーがこぞって目玉をもってきていること。ヴィクトリア・ミロ・ギャラリーはターナー賞受賞作家クリス・オフィリを、ホワイトキューブ2は第一線で活躍する女性アーティストのモナ・ハトゥームもってきています。
さらに、ウェストエンドのギャラリー、エミリー・ツィンゴーがジョージナ・スターの展覧会を東西二箇所で同時開催。MWプロジェクツがロイヤル・アカデミーの「Apocalypse」展で注目をされたティム・ノーブル&スー・ウェブスター を起用しています。
変わりどころとして注目なのが、今月17日にオープンしたBloomberg Space(ブルームバーグ・スペース)のオープニング企画。「アートじゃないものを何か持ってきて下さい」と呼びかけているこのショーでは、来訪者を巻き込んで美術館の蒐集管理業務のパロディが展開される模様。(トコ)
詳しくはカレンダーのページで。
5月23日
賞のお話
賞の発表が2つほどありました。両方とも平面作品対象で、1つは民間財団Jerwood Foundationが主催する絵画の賞Jerwood Painting
Prize (ジャーウッド・ペインティング・プライズ)。もう一つはピザのレストランチェーンPizza Expressがスポンサーを務めるドローイングの賞PizzaExpress
Prospect Contemporary Drawing Prize (ピザエクスプレス・プロスペクト・ドローイング・プライズ)。
ジャーウッド… はスコットランド人画家Callum Innes(カルム・イネス)が受賞。ターナー賞にもノミネートされたことのあるイネスの作品は、モンドリアンとマーク・ロスコーを足して2で割ってモノトーン化したようなミニマルなもの。Lisa
Milroy(リサ・ミルロイ)やGraham Crowley(グラハム・クロウリィ)などのキャリア組み6人のなかから選ばれました。 ドローイングの定義が広がるかもしれない、という前評判が飛んだピザエクスプレス…の方もアブストラクトの勝利に終わりました。受賞者はIan
Davenport(イアン・ダヴェンポート)で、ギャラリーの壁に直に絵の具を垂らすという作品を発表しています。爽やかな色使いのラインが天井から床へと流れる様はまるで日の差し込むカーテンのよう。展覧会が終わったら消されてしまう短命な作品でもあります。
特筆すべきこととして、ピザエクスプレス… のノミネート作品の多様さが目立ちました。Ben Long(ベン・ロング)がトラックの車体をキャンバス代わりにすれば、Lorraine
Robbins (ロレーヌ・ロビンス)はスタバなどでお馴染みのスチロール製カップを媒体として起用。デジタル・ドローイングがあるかと思えば、一つのツールを2人で仲良く持って描いた作品もあるなどドローイングの定番的イメージを覆えそうとする風潮を感じました。
ジャーウッド…はJerwood Galleryで7月7日まで、ピザエクスプレス…はEssor Galleryで6月1日まで展示されます。 (トコ)
Jerwood Galleryのサイト へ。アドレスはこちら
Essor Galleryのサイト へ。アドレスはこちら
5月23日
Flowers East 移転の話
イーストエンドのギャラリーのなかではパイオニアの部類に入るFlowers East(フラワーズ・イースト)が、この秋に現在のロンドン・フィールズからホックストンに移転するという噂。すでにKindsland
Roadにある建物を購入済みという話で、今月上旬に在庫処分のためのクリアランス・セールを実施した模様。移転準備が着々と進んでいるようですが、展覧会は9月までは現在の場所でやっていくということ。
Flowers
EastはコークストリートのFlowers Central、カリフォルニア州サンタモニカのFlowers Westと複数の支店を構える一流ギャラリーThe
Angela Flowers Galleryのイーストエンド店。そんな著名なギャラリーの移転は、ホックストンのアート中心地としての基盤をさらに固めることになりそうですね。(トコ)
Flowers East
5月22日
展覧会情報
カレンダーの「Westendで展覧会 」に今月から来月にかけての展覧会情報7本を追加しました。
今回は、若手ではリッソン・ギャラリーの「シール・フロイヤー」展、ベテランではロバート・サンデルソンの「ブリジット・ライリー」展あたりがかなり気になります。
フロイヤーはゴールドスミス・カレッジを94年に卒業。個展経験は少ないものの、価格ラベルなど日用品をミニマルにアレンジした作品でロンドンではかなり知られた名前。(フォグレスのレビュー にも載ってます!)
オップ・アートの女王ブリジット・ライリーは世界的に有名ですが、今回のミニ回顧展では初期の珍しい「ジグザグ」作品が展示されるとのこと。
詳しくはカレンダーのページで。
5月20日
Queen's Gallery リニューアル・オープン
今年はエリザベス2世即位50周年のGolden Jubileeの年ということで祝賀イベントが次々と催されていますが、その一環として英国王室の美術品を預かるバッキンガム宮殿内のクイーンズ・ギャラリーが明日21日リニューアル・オープンします。
翌日から始まる"Royal Treasures : a Golden Jubilee celebration"と題されたオープニングのショーでは、世界有数といわれるの豪華コレクションのなかから油彩、水彩、彫刻、宝石、武具、家具など450点が展示されます。
また、先月逝去されたクイーン・マザーのコレクションからも作品が借り出されモネなどが展示されるとの話。さらには、昨年末にクイーンに献上されたルシアン・フロイドの肖像画 もここで公開されるとのこと。(トコ)
Queen's Gallery
"Royal Treasures : a Golden Jubilee celebration", 02/05/22 - 03/01/12,
有料(大人6.50BBP, 60才以上5GBP, 17才未満3GBP, 5才未満無料)
5月20日
Viva La Republique!
「王室の財宝なんて所詮、伝統文化の屍。フォグレスって現代アートのサイトじゃなかったけ?」 なんて上のニュースを読んで感じられた方がいましたら、こちらの展覧会がお勧めかもしれません。
ザ・センター・オブ・アテンションのイベントもGolden Jubileeを記念しての企画ではあるものの、こちらはパンクスピリット大爆発、反体制的メッセージたっぷりの挑発的なもの。
Genesis P-Orridgeのポルノショットにクイーンの顔を混ぜた70年代のコラージュから(これは当時裁判沙汰にまでなったとのこと)、唇に安全ピンをブッ刺したクイーンやらチンパンジーになってしまったクイーンやら、体制を思いっきりコケにした作品が並んでいます。
(トコ) Viva La Republique!,The Centre of Attention,
02/05/03 -02/05/30, 無料 詳しくはギャラリーのホームページ で
5月16日
展覧会情報
ここのところギャラリー紹介が続きましたが、今週からテート・モダンやバービカンセンターで新企画が始まったところで「メジャー展示スペース 」に展覧会情報を10件ほどアップしました。
なかでも注目なのがテート・モダンの「Matisse Picasso」展。マティスだけでも、ピカソだけでも、見ごたえたっぷりのはずなのに、巨匠が二人揃った上にこの二人が生涯のライバルだったとくれば面白くないはずがない!なんて思ってしまいます。
それからホワイトチャペルのヨガ教室も気になるところ。このヨガ教室、参加者を集ってリアム・ギリックのモンドリアン風のインスタレーションが置かれた一階展示室で催されるということですが、ギャラリーの中でヨガとはあまりにも突飛な発想。参加型のパフォーマンスとでも捉えるべきなのでしょうか?アーティストとキュレーターの狙いが気になります。
5月15日
サウス・ロンドンのギャラリー&展示スペース
12日のイーストエンド編に続き、「ギャラリー・インデックス:South
London編 」をアップしました。 一昨年のテート・モダンの開館以来、新しい文化の中心地として注目されているサウス・ロンドンのギャラリーを25件載せています。
地図をご覧になっていただくとわかる通り、このエリアにはテムズ川沿いに沢山の公営&商業ギャラリーがあります。ヘイワード・ギャラリー、テート・モダン、デザイン・ミュージアムなどのメジャー系にFAプロジェクツ、エサー・ギャラリー、ザ・マーケットなどの新顔が紛れ、なかなか見ごたえのあるミックスとなっています。
テムズ川沿いの他には、Vauxhall周辺、Brixton周辺、Deptford周辺にギャラリーが集まっています。とくにDeptfordにはヘイルス・ギャラリーなどはずせないギャラリーが幾つかあり遠いながらもお勧めです。
スペースの関係上、地図ではギャラリーが隣り合っているかのように密集して見えますが、実際にはかなり距離がありますので注意して下さい。正確なところは「A
to Z」で確認してください。(トコ) 次回はWest Endです。
5月12日
イーストエンドのギャラリー&展示スペース
「スペース」のページに「ギャラリー・インデックス:East
End 編 」を載せました。 フォグレスでは現在イーストエンドのギャラリーを14件ほど紹介していますが、ロンドンのアートシーンの中心地であるこのエリアにはざっと40件くらいの展示スペースがあります。今回はこのなかからフォグレスの展覧会リストなどでお馴染みのスペース36件をご紹介することにしました。ギャラリーの分布状況を示す簡単な地図も添えましたので散策の手引きとして使ってください。地図は思いっきり細部を省いてますので、正確なところは「A
to Z」を見てください。 今やイーストエンドはロンドンの現代アートの発信地として世界から注目されていますが、これはここ10年くらいの傾向でその昔は単に落ちぶれたエリアでした。
ブームの始まりは90年代前半の不況時で、当時家賃の安かったここが展示場所のないアーティストを引き付ける磁場となったのがその始まりです。使われてない倉庫や工場、借り手のない店舗などが彼らの手によって次々と当座しのぎの展示場所へと生まれ変わり、今日のギャラリーがひしめくイーストエンドへと変わっていったのです。
近年ホワイト・キューブ2やヴィクトリア・ミロ・ギャラリーなど筋金入りの商業ギャラリーの進出やサーチ・ギャラリーの存在によってイーストエンドもメジャー色が濃くなったものの、未だに新ギャラリーの誕生ぶりは衰えをみせず現代アートの中心地としての勢いを感じさせます。そう、まだまだ面白いエリアなのです。
(トコ) 次回はSouth London編です。お楽しみに。
5月5日
展覧会情報
一昨日に引き続き、展覧会リストをアップしました。 「Eastendの展覧会 」:White
Cube 2, Chisenhale Gallery, Centre of Attentionなど8本。 「気になる写真展 」:Holdsworth,
Shine Galleryなど5本。
5月3日
展覧会情報
カレンダーのページに展覧会情報をアップしました。 「Westendで展覧会 」:White
Cube, Entwistle, Laurent Delaye Galleryなど7本。 「テムズの南側 」:Jerwood
Gallery, South London Gallery, Danielle Arnaudなど4本。
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