ドラマチックな盗難劇が現実味を帯び始めたのは、月曜早朝になってから。匿名の女性から警察に垂れ込み電話がかかってきた後、ギャラリーから約200メートル離れたバス停横の公衆便所でダンボールの筒を発見。こともあろうか巨匠の名画は、悪臭を放つトイレでずぶ濡れになったこの筒のなかから出てきたのです。さらに驚くべきことに、「目的は盗むことではなく、ただずさんな警備を暴くこと(the
intention was not to steal. only to highlight the woeful security.)」と書かれた手書きメモも一緒に出てきたのです。
作品の被害のほうは、幸いなことに修復できる範囲に止まり、二週間もすればまた展示できるとのこと。しかし、美術館側は犯人の行動に対し、「.怒りを感じます。これらの絵画はかけがえのない芸術品なんです。…
フレームから外して丸めて筒にいれることによって、損傷を与えてしまったかもしれません。(We are very angry, because these are
irreplaceable works of art … The very act of taking them out of their frames and
rolling them up into a tube may have caused damage)」とコメント(The Guardian)。ごもっともな発言と納得する一方で、そんな貴重な芸術品がこんなに簡単に盗まれてしまうようでは…と私の感情はやや複雑です。ま、とりあえずは、見つかって良かったと言っておきましょうか…。(トコ)
まずは、「なくなるかも〜」なんて最近噂のあったSouth London Gallery(サウスロンドンギャラリー。)ここは慈善事業家ウィリアム・ロシターがロンドン南部の労働者のために1891年に設立したギャラリーで、東のホワイトチャペル・アート・ギャラリーと並んで地元民に長年尽くしてきた公営ギャラリーの一つ。1990年代にチセンヘール・ギャラリーなどを手掛けたデイヴィッド・ソープによって現代アート専門の展示スペースへと生まれ変わり、ギルバート&ジョージ('95)、ビル・ヴィオラ('97)、トレイシー・エミン('97)、バーバラ・クルーガー('01)、キース・タイソン('02)と注目の作家を次々と紹介してきました。
そんなサーチに目もくれず「無意味だよ。時間の無駄。とにかく、回顧展なんて死んだ作家のためにあるようなものさ。(… it's pointless.
A waste of time. Anyway, retrospectives are really just for dead artists.)」と語るのはギャラリーの看板Damien
Hirst(デミアン・ハースト)。自分のショーのオープニングにもかかわらず、15日に開かれたレセプションにはどうも欠席したという噂。まあこれは見方を変えれば、パーティー嫌いで有名なサーチの例に習ったとも言えなくありませんが、それにしても二人の間柄の冷え込みを感じさせるような言動…。(サーチの姿もなかったという話)
とまあ、映像にハイテク機器、お土産付き作品、ギャラリー外プロジェクトの記録と今回のBeck's Futuresはいつもとは一味違いますが、これはこれでなかなかのもの。受賞者の発表は4月29日に行われ、所持品全てをスクラップにしたインスタレーションで知られるMichael
Landy、超売れっ子スイス人キュレータHans Ulrich Obristなど4名が審査員を務めます。29日の授賞式には、今年で4回目を迎えるStudent
Prize for Film and Videoの受賞者の発表も行われる予定です。(ちなみに、こちらの上映会は25日から28日で、審査員はSam Taylor-WoodとPeter
Saville)(トコ)
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