![]() | ||||
|
5月26日 | ブリット・アート、灰に
!(続報) | |||
| 多くの新聞がトップ記事で扱ったこのニュース。各報道によると、現場は今朝になってやっと混乱が静まってきたようだが、焼失した作品の詳細についてはまだ確かなことは分かっていない。 ■デミアン・ハーストの親近者のコメント | ||||
| 5月26日 | ブリット・アート、灰に
! | |||
| 英国屈指の美術品蒐集家、チャールズ・サーチの美術品が灰になってしまった。 被害の具体的な内容はまだ明らかにされていないが、サーチ・コレクションの被害は金額にして数億円に上ると言われている。サーチ自身は大打撃を受けていると報道されている。 | ||||
| 5月23日 | ターナー賞ノミネート者発表 | |||
| 今年の候補者は、カトゥルーグ・アタマン(Kutlug Ataman)、ジェレミー・デラー(Jeremy Deller)、ラングランズ&ベル(Langlands & Bell)、インカ・ショニバレ(Yinka Shonibare)の四名。近年続いた「ブリット・アート」路線からはずれた、新鮮な顔ぶれとなっている。 カトゥルーグ・アタマンは、英国在住のトルコ人アーティスト。もともと映画監督である彼の作品は、登場人物が身の上を延々と語るインタビュー形式、証言型の映像作品であることが多い。同性愛者、性転換者、移民など社会のボーダーで生きる人々が頻繁に登場する。今回のノミネートは、去年のイスタンブール・ビエンナーレおよびヨーロッパ各地での展示が評価されてのこと。アタマンはここロンドンでの注目度も高く、昨年だけでもサーペンタイン・ギャラリーでの個展、バービカン・ギャラリーの「Witness」展、テート・ブリテンのトリエンナーレと展示が続いた。 ジェレミー・デラーも同じくロンドン在住。他者とのコラボレーションが多い彼の作品は、映画制作から音楽プロジェクト、パフォーマンスと多岐にわたる。今回のノミネートは、テキサス州を旅しながら撮った映像をもとに制作したインスタレーションが評価されてのこと。デラーはつい最近、フランクフルト・バレエで70人の素人ダンサーを使ってダンス・パフォーマンスを披露したばかり。2001年には、アートエンジェルのコミッションのもと、1984年の英国の炭鉱労働者のストライキを題材にした映画「The
Battle of Orgreave」を発表している。現在は、V&Aで先週から始まった「Shhh」展にサウンド作品を出品中。 ラングランズ&ベルは、ベン・ラングランズとニッキ・ベルが'78年に結成したユニット。以来、立体に建築的エッセンスを加えたユニークな作品を発表してきた。今回のノミネートは、「ウサマ・ビンラディンの家(The
House of Osama bin Laden)」と題された、写真と映像を使ったインスタレーションが評価されてのこと。ロンドンの帝国戦争博物館(Imperial
War Museum)で既に展示済みのこの作品は、タリバン政権崩壊後の2002月10月に二人がアフガニスタンを旅して記録したもの。彼らが訪れた場所には90年代後半にビンラディンが滞在していた家も含まれている。 インカ・ショニバレは英国生まれ、ナイジェリア育ちのアーティスト。ドクメンタ11など国際舞台でも既に活躍中の彼の作品には、アフリカを髣髴させる布地が決まってが登場する。これらファブリックは、両国の文化を併せ持つ自身を反映するように、英国の伝統絵画からのモチーフと一緒によく使われる。アフリカ模様のドレスを着た18世紀の貴婦人が、セクシャルなポーズを取っているのというのが定番だ。今回のノミネートはロンドンのスティーブン・フリードマン・ギャラリーでの個展とオランダでの個展が評価されてのこと。(トコ) 各ノミネート者の展示は、10月20日から12月23日にかけてテート・ブリテンで行われる。詳しくはテートのサイトで。 | ||||
| 5月18日 | ロンドン最新ギャラリー事情 | |||
久々にロンドンからの書き込みです。ちょっと離れている間に、色んな事が起きていたようです。
占有面積1,400平米と、ロンドン最大級の広さを誇る新スペースは、その昔は自動車修理工場として使われていたところ。展示室は三部屋あり、一番大きな展示室の最長辺は28メートル。このサイズは、イーストエンドのヴィクトリア・ミロ・ギャラリーと同レベルとなりますが、ガゴーシアンでは全室に自然光が取り込めるよう展示室はすべて一層に並んでいるとのこと。 ■ 同じくウェストエンドでは先月、デューク・ストリートにトーマス・デイン(Thomas
Dane)が開廊。そのすぐ裏には、あのホワイト・キューブも物件を購入済みと、ディーラー達の進出が目立ちます。が、そんなハイムードのなか、残念な話もちらほら。そのひとつが、高級ギャラリー街コーク・ストリートにあるエントウィッスル(Entwistle)で、先月下旬に業務縮小を伝える知らせが届きました。評判の良かった展示プログラムを廃止し、契約アーティストも手放すことに。今後はセカンダリー・マーケットでのビジネスとコンサルティングに専念するようです。(トコ) | ||||
| 5月18日 | 展覧会ハイライト | |||
| ■ 今月と来月は、YBAの存在が目立ちます。まず、前出のガゴーシアンのウェストエンド店では現在、デミアン・ハーストとデイヴィッド・ベイリーの共同作品展が催されています。14枚の写真で構成された今回の作品は、イエス・キリストの死刑宣告から埋葬までの流れを、14のシーンで描いたキリスト教美術の定番『The
Stations of the Cross(十字架の道行)』を表したもの。撮影者はベイリーですが、写された内容には、ぶつ切りにされた牛の頭や血まみれのシャレコウベなど、ハーストの悪魔的な色がかなり濃く出ています。彼自身がキリストに扮して登場している写真もあります。 | ||||
| 5月18日 | その他にも… | |||
| ■ ロンドン初の写真フェア「photo-london」が、今週20日から23日までロイヤル・アカデミーで開催されます。出展ギャラリーは、公営のフォトグラファーズ・ギャラリーからホワイト・キューブ、リッソン・ギャラリーなどのファインアート系商業ギャラリー、スカウト、セルダ・チートルなどの写真系商業ギャラリーまで合計50団体。開場は、去年10月にアルマーニ展でこけら落としを迎えたバーリントン・ガーデン側の建物。 | ||||
| 5月5日 | What
the hell are they doing? | |||
| 悪趣味極まる彼らのファンは日本にも多いようだが、私が今回興味深く思ったのは、某雑誌社の方が言っていた「若い世代にはいまいち」というコメント。何故なのかと思い、往復5時間かけて水戸まで足を運んでみたところ、この「いまいち」感は私にもよく伝わってきた。 その一番の原因は、「Hell」の実物が来ていなかったこと。代わりに広々とした展示室には、「Hell」を撮った写真9枚が展示されていた。撮影者はチャップマンではなくノーバート・シェルナー(Norbert Schoerner)。撮影年は4年前の2000年。写真家が美術品を撮影したこういう写真は、普通は作品図版と呼ばれ、同時にその写真家の作品とも言えるが、ここでは「What the Hell」と題されたチャップマンのオリジナル作品として扱われている。 実物について美術館のスタッフに聞いてみると、輸送と検閲の問題のため用意できなかった、と答えてくれた。確かに、あれだけのサイズの完成品を空輸するのは、物理的にも経済的にも大変だ。かと言って、現地で組み立てられるような代物でもない。加えて、検閲の問題。前に検閲で引っかかったことのあるチャップマンの作品は、日本ではかなり希少とされ、現在、東京にたった一点しかないと言われている。 しかし、諸事情は理解できたとしても、図版の豪華版で済ませてしまったチャップマンの選択には首を傾げてしまう。ヘタな作家達と馬鹿にされてきたYBAのなかで、高い技術にプライドを置く彼らが、またどうしてこんな中途半端なことを?同じく、作品を持ち込めないと知っていて、チャップマンに拘った水戸芸術館にも疑問を感じてしまう。 腹の内は本人に聞いてみなければ分からないから、今日のところは、写真のタイトル「What the Hell」にヒントを求めて終わりにする。このフレーズには、疑問文に使われる時の「一体これは」という意味の他にもうひとつ、「まあどうでもいいや」という意味がある。「Hell」に掛けているのは勿論のことだが、今回の様々なことを踏まえて改めてタイトルの意味を噛み締めると、この二番目の意味が滑稽なくらいいい味を出しているように感じられてくる。(トコ) 注)掲載写真はすべてサーチ・ギャラリーで3月まで開催されていた「Jake
& Dinos Chapman」展からのものになります。 | ||||