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■ 毎年恒例のターナー賞の展示が例年よりスケジュールを3週間繰り上げてテート・ブリテンではじまった。今年の展ノミネート者はマーク・ティッチナー(Mark
Titchner)、トマ・アブツ(Tomma Abts)、レベッカ・ウォレン(Rebecca
Warren)、フィル・コリンズ(Phil Collins)の4名。
今年もターナーのお株である「変」なアートが健在。去年はスイスだかドイツだかからもって来た大そうな掘っ立て小屋だったが、今年はビッグブラザーまがいの悩み相談室「Shady
Lane Productions(シェイディ・レーン・プロダクションズ)」が会場内に登場。その送り主はコロンビア人にザ・スミスの曲をカラオケで歌わせたり、パレスチナ人に倒れるまでディスコダンスマラソンをさせたり、一風変わった参加型の作品を制作してきたフィル・コリンズ。オフィス内にはリサーチャーが3人常勤し、テレビ出演によって人生が狂った人からの連絡を常時受付している。ちなみに電話番号は020-7887-4924。テレビ出演で苦い経験をしたことのある方、参加してみてはいかが?詳しくはまたそのうち。1月14日まで。
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上から順に
Phil Collins
Rebecca Warren
Photo: Toyoko Ito |
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■ Chris Burden @ Chelsea College
of Art & Design
ターナー賞を見た帰りがけに、テートの向かいにあるチェルシー・カレッジの校庭で出くわしたクリス・バーデン(Chris
Burden)のパフォーマンスという名の超常現象(?)。人だかりができていたので何が始まるのかと聞いてみたら、目の前にある48トンもある蒸気ローラーがこれから飛ぶのだという。そんな馬鹿なことがあってたまるかと思いながら見ていると、車がゆっくりと円を描きながら動き始め、何回か回るうちに車輪が地面から浮いた。
リーフレットに書かれていたとおり、まさに「力と危険」をテーマとする作品。バーデンは肉体の極限に挑む体罰系のパフォーマンスが全盛を迎えた60年代に脚光を集めた作家で、パフォーマンスと称して相方に自分の腕を拳銃で打たせたり、オフィス用のロッカーに1週間もこもって水だけで過ごしたりと、周囲を唖然とさせる行為を作品にしてきた。危険に対する執着は40年たった今も消えていないようだ。10月15日まで(サウスロンドンギャラリーでの展示「14
Magnolia Double Lamps」は11月5日まで)。
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チェルシー・カレッジでのイベントの様子。三番目の写真で車輪が地面から離れているのが分かるでしょうか。
Photo: Toyoko Ito |
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■ ホワイト・キューブ、 長洲鯨の骨とともに参上!
ロンドン組みの方はもう行かれた方も多いはず。先月29日に、あのホワイト・キューブの新スペースが古巣のデューク・ストリート界隈、メイソンズ・ヤードのオープンした(実はプレス内覧会の前日に近くを通った時にブルドーザーが石の塊を運んでいたので大丈夫なのかな…などと思っていたのですが)。
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地下で展示中のガブリエル・オロツコーの長洲鯨の彫刻。
Photo: Toyoko Ito
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コスメ換えをして見事に生まれ変わった新スペースはテート・モダンの弟分じゃないが、電力会社がその昔使っていた建物を改築したもの。テラスハウス形式の建物が多いこの界隈で単体のビルとして建てられたはじめての物件らしい。
展示室は地下と地上階にひとつずつ。地下の展示室はホックストンスクウェアのスペースをはるかに越える立派なサイズ。この界隈でこれだけの'ホワイトキューブ'をもつスペースはないのではないだろうか。地上階の展示室は小ぶりながらもライティングが美しく品のあるスペース。今後こちらでは、今回のガブリエル・オロツコー展のような大型の作品をやや長めのスケジュールで見せていく予定で、オロツコーの後にはモナ・ハトゥーム。来年以降はアンゼルム・キーファー、アンドレアス・グルスキー、デミアン・ハーストと続く。ハーストーの展示はホックストンスクウェアのスペースとダブルで開かれる。
ちなみに現在地下で展示中のオロツコーの作品「Dark Wave」は、全長14メートルの長洲鯨の骨を模ってドローイングを施したこのスペースならでは大作。地上階で展示中の金、赤、青、白を基本色とする抽象画は去年のヴェネツィア・ビエンナーレで発表された「The
Samurai Tree」シリーズの最新作。チェスのナイトの動きが発想源になっているとか。11月11日まで。
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■ Liverpool Biennial 2006
こちらはロンドンならぬリバプールネタ。英国最大の現代美術際リバプール・ビエンナーレ2006が先月16日から、テート・リバプールから道端まで市内25箇所以上を会場に盛大に始まった。
詳しいことはまた次回にするとして(今月発売の『美術手帖』にレビューを書きましたのでそちらもヨロシク!)、今回のビエンナーレの特徴をサクッと紹介すると、リバプールという街自体に鍼を打って血行をよくするがごとく、作品が街の随所に忍び込まされたアートによる街の再生が試みられている。それも中南米や東南アジアの作家など、欧米主導の国際舞台で外野と見なされている国々の作家が揃ってリバプールに上陸。これには今回のキュレーターが台湾とキューバ出身という点が大きく影響しているようだが、外野による客観的な視点がキラリと光るなかなか面白い展開になっている。会場が密集しているリバプールの中心部は割と小さくて、簡単に歩けてしまうが、それでもかなりの距離歩く。私は3日でヒールがすっかりボロボロになってしまったが、皆さんも十分に覚悟のほどを。
会場やイベントについて詳細はビエンナーレのサイトで。リバプール発信のartinliverpool.comと、リヴァプール・ゴールドフィッシュだよりにも詳しい情報&レポートが載っています。
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パブリックアートのように街を彩る作品群&現地でお世話になったイアンさん&ミナコさん。
作品は上から順に
Yang Jiechang
Matej Andraz Vogrincic
Jorge Pardo
Pardoの作品は前回のビエンナーレの時に設置された作品だとか。クレーン車は作品とは関係ありません。
Photo: Toyoko Ito
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